自律神経失調症という病名は、実は正式な医学用語ではありません。
というのも、自律神経の乱れが関係している可能性がある症状が現れているだけで、何らかの検査で自律神経失調症が確認できるわけではなく、また、分析によっては、軽症のうつ病や不安障害などの診断をくだすことも可能だからです。
正式な医学用語でない自律神経失調症という病名がよく使われるのは、暫定的な診断という意味と、患者に対して重大な病気ではないという安心感を与える意味があるためとされています。
もちろん、自律神経失調症の診断には、身体的な異常がないことや、明らかな精神疾患がないことの確認(これを「除外診断」といいます)が必要とされます。